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ブロッコリースプラウトサプリメントのスルフォラファン吸収性と解毒作用を確認
〜 カゴメ、東京理科大学との共同研究 〜

2010年9月6日研究

カゴメ株式会社(社長:西秀訓)は、東京理科大学薬学部薬学科(千葉県野田市)谷中昭典教授との共同研究で、ブロッコリースプラウトから熱水で抽出したエキスを含有したサプリメントの摂取により、体内にスルフォラファンが吸収され、解毒酵素の活性を高めることを、ヒトを対象にした試験で確認しました。
なお、本研究内容は日本食品科学工学会第57回大会(9月1〜3日、東京農業大学)において発表致しました。

■共同研究者 東京理科大学 谷中昭典教授のコメント

ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンは、がんを抑制する作用だけではなく、花粉症症状の指標である好酸球やIgEの増加を抑制することが明らかになっています。今回のヒトを対象にした研究により、ブロッコリースプラウトエキスをサプリメントとして摂取することで、スルフォラファンが吸収されることや解毒酵素の活性が高まることが明らかになりました。これらの結果から、スルフォラファンの供給源としてブロッコリースプラウトのサプリメントを摂取することが、種々の疾病予防に対して有効であることが期待されます。

■研究の背景

ブロッコリースプラウトから発見された成分、スルフォラファンは解毒酵素を誘導し、がんの抑制や有害物質の排泄促進に寄与することが知られています。また近年では、ピロリ菌を減少させるなど様々な疾病に有効であることが明らかにされています。スルフォラファンはブロッコリースプラウトなどの植物体の中ではスルフォラファングルコシノレート(SGS)として存在しており、前述の効能を発揮するためにはスルフォラファンに変換され、体内に吸収される必要があります。このSGSからスルフォラファンへの変換にはもともとブロッコリーに存在する酵素(ミロシナーゼ)が関与しています。一方で、SGSサプリメントの原料であるブロッコリースプラウトエキスは、製造工程並びに品質管理の観点から、ミロシナーゼが失活されており、SGSサプリメントを摂取した際のスルフォラファンの体内への吸収性は明らかになっていません。
そこで本研究では、SGSサプリメントを摂取した際に、SGSがスルフォラファンに変換し体内に吸収されるか、また解毒酵素にどのような影響を及ぼすか検討を行いました。

■研究概要

≪目的≫

SGSサプリメントを摂取した際のスルフォラファン吸収性及び解毒酵素誘導作用を把握するために、ヒトを対象とした単回投与試験を実施しました。

≪試験方法≫

試験への参加に同意が得られた健常な成人男女(25〜48歳、31名)に、生鮮のブロッコリースプラウト 30 g (SGS 30 mg含有)、SGSサプリメント3粒または6粒 (SGS 30mg または 60 mg)を摂取していただきました。摂取後30時間後までに採取した全尿を用い、スルフォラファン吸収性の指標であるDTC(Dithiocarbamates)量を測定しました。ブロッコリースプラウトまたはSGSサプリメントを摂取する前と摂取24時間後に血液を採取し、解毒酵素の活性を測定しました。なお、試験前日から試験終了までの3日間は、ブロッコリースプラウトなどアブラナ科野菜を含まない食事を摂取していただきました。

≪結果≫

図1は、スルフォラファンの吸収性を示しています。ブロッコリースプラウトを摂取した群では咀嚼の際にミロシナーゼによるスルフォラファンへの変換を受けるため、0-4時間といった早い時間帯に尿中DTC量が最大値を示しました。一方で、SGSサプリメントを摂取した群では、腸内細菌が産生するミロシナーゼによりスルフォラファンへの変換を受けるため、徐々に尿中DTC量が増加し、摂取後8-16時間に最大値を示しました。このことから、生鮮のブロッコリースプラウトと比べて緩やかではあるものの、SGSをサプリメントから摂取することにより、確実に体内にスルフォラファンが吸収されることが明らかとなりました。また、SGSサプリメント3粒摂取群と比べて6粒摂取群の尿中DTC量が高い値を示し、摂取したSGS量に依存してスルフォラファンの吸収性が高まることが確認されました。

図1.ブロッコリースプラウトまたはSGSサプリメント摂取後の尿中DTC量の推移

図1.ブロッコリースプラウトまたはSGSサプリメント摂取後の尿中DTC量の推移

図2は、解毒酵素の活性変化を示しています。生鮮のブロッコリースプラウトを摂取した群とSGSサプリメントを摂取した群との間で、吸収されたスルフォラファンの量に差が認められた一方で、解毒酵素であるGST(グルタチオン S-トランスフェラーゼ)やNQO1(NADH-キノンオキシドレダクターゼ)の活性は全ての群で同程度上昇していました。SGSサプリメント3粒摂取群においても、これら解毒酵素の活性が有意に上昇することが明らかになりました。

血清GST活性 血清NQ01活性

図2.ブロッコリースプラウトまたはSGSサプリメント摂取前後における
解毒酵素(左;GST, 右;NQO1)の活性変化

≪まとめ≫

今回、ヒトを対象にした試験を実施した結果、ブロッコリースプラウトのサプリメントからSGSとして摂取した際においても、体内でスルフォラファンに変換、吸収され、解毒酵素を誘導することが明らかになりました。
以上より、身体の解毒力を高めるための簡便な手段のひとつとして、ブロッコリスプラウト(SGS)をサプリメントから摂取することが有効であると期待されます。

■用語の説明

スルフォラファン:
ブロッコリーやその発芽物であるブロッコリースプラウトに多く含まれる成分で、イソチオシアネート類に分類されます。イソチオシアネート類にはワサビやダイコンの辛味成分も含まれます。イソチオシアネート類の中でも特にスルフォラファンは解毒酵素や抗酸化酵素の活性を高め、がんや様々な疾病の予防に有効であることが期待されています。
ミロシナーゼ:
主にアブラナ科野菜が有する加水分解酵素であり、グルコシノレート類からイソチオシアネート類への変換に働きます。スルフォラファンは、植物体の中ではスルフォラファングルコシノレート(SGS)の状態で存在しますが、咀嚼などによってミロシナーゼが働くことで生成されます。
このミロシナーゼは、ヒトの腸内細菌から産生されることも知られています。加熱・加工によりミロシナーゼが失活されたブロッコリースプラウト(もしくはSGS)を摂取した場合には、腸管内でスルフォラファンに変換され、吸収されると考えられています。
DTC:
DTCとはDithiocarbamatesの略称であり、スルフォラファンやそれから派生する複数の代謝体を示します。体内に吸収されたスルフォラファンの量を把握するためには代謝体の量も網羅的に測定する必要があります。そのため、スルフォラファンの吸収性の指標として一般的に尿中のDTC量を測定します。

【資料】 学会発表の要旨

ブロッコリースプラウトサプリメントからのスルフォラファン吸収性及び
第二相酵素誘導作用の把握

牛田悠介 1)、福本敦 2)、谷中昭典 2)、相澤宏一 1)
1)カゴメ(株)総研
2)東京理科大学薬学部

【目的】第二相酵素誘導能を有するスルフォラファン(SFN)は前駆体であるスルフォラファングルコシノレート(SGS)としてブロッコリースプラウト(BS)に含まれる。既報により、SGSからSFNへの変換に働くミロシナーゼがSFN吸収性に寄与することが示されている。一方でサプリメントの原料であるBS抽出物はSGSを高含有するものの製造工程及び品質管理の観点からミロシナーゼが失活されている。本試験では、サプリメントからSGSを摂取した際のSFN吸収性及び第二相酵素誘導作用の把握を目的に、生鮮のBSとの比較を行った。
【方法】健常な成人男女31名をBS群、サプリ3粒群(ともにSGS 30 mg)及びサプリ6粒群(SGS 60 mg)の3群に割付け、並行群間比較試験を実施した。BS又はサプリ摂取後30時間の全尿を採取し、Dithiocabamates(DTC)及びSFN-NAC量を測定した。また、摂取前及び24時間後に採取した血液中の第二相酵素発現量及び活性を測定した。
【結果】尿中DTC量が最大となる時間Tmaxを算出した結果、サプリからのSGS摂取によりSFNの吸収が緩やかになることが示された。また、摂取後30時間の尿中DTC並びにSFN-NAC量の総和からSFN吸収量を求めた結果、サプリ3粒群のSFN吸収量は同量のSGSを摂取したBS群と比べて1/3程度であった。サプリ6粒群のSFN吸収量は3粒群と比べてSGS摂取量依存的に高かった。血中HO-1 mRNA発現量、GST及びNQO1活性の変化から第二相酵素誘導作用を評価した。HO-1 mRNA量の変化は全群で認められなかった。一方、GST及びNQO1活性は、摂取方法に関わらずSGS摂取により上昇し、サプリ3粒及び6粒群においても摂取前と比べて有意な上昇が認められた。本試験の結果から、SFN吸収性は緩やかであるもののサプリメントからのSGS摂取によっても、第二相酵素が誘導されることが示唆された。

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