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ブロッコリースプラウトの成分“スルフォラファン”が脂の摂り過ぎによる肥満を抑制することを確認
〜 金沢大学 脳・肝インターフェースメディシン研究センターとの共同研究による成果 〜

2017年3月31日研究

カゴメ株式会社 (社長:寺田直行、本社:愛知県名古屋市) は、金沢大学医薬保健研究域附属脳・肝インターフェースメディシン研究センター (太田嗣人 准教授、長田直人 助教) との共同研究により、ブロッコリースプラウトの成分“スルフォラファン”が、脂の摂り過ぎによる肥満を抑制することを、マウスにおける試験で明らかにしました。

■本研究の目的

脂の多い食事は、肥満やメタボリックシンドロームの原因となり、ひいては心血管疾患や認知症などの重大な健康問題の遠因となることが示唆されています。当社ではこれまでに、ブロッコリースプラウト (BS) に含まれる成分“スルフォラファン”が、肝臓の健康維持に有効であることを明らかにして参りましたが、肥満に対する効果は未解明でした。そこで本研究では、スルフォラファンの摂取が、脂の摂り過ぎによる肥満に及ぼす効果について検証しました。
※BS中ではスルフォラファンの前駆体であるスルフォラファングルコシノレートとして存在しており、体内で分解されることでスルフォラファンに変わります。

≪方法と結果≫

マウスを3群に分け、通常食、高脂肪食、BSエキスを含む高脂肪食 (図中、高脂肪食+BSエキス。BSエキスはスルフォラファンの供給源として使用) のいずれかを14週間与えました。その結果、BSエキスを含む高脂肪食を与えたマウスでは体重増加率が15%抑えられ、体脂肪量の増加が抑えられました (下図)。以上の結果から、スルフォラファンを摂取することで、“脂の摂り過ぎ”による肥満が抑制されることが示唆されました。

≪まとめ≫

◆スルフォラファンの摂取が、脂の摂り過ぎによる肥満を抑制することが動物試験から示唆されました。
◆本研究結果は、米国糖尿病学会誌「Diabetes」のオンライン版に2017年2月17日に掲載されました。

■試験の詳細

【試験① スルフォラファンの肥満抑制効果の検証】

≪方法≫

マウスを3群に分け、通常食、高脂肪食、BSエキスを2.2% (重量比) 含む高脂肪食 (BSエキスはスルフォラファンの供給源として使用) のいずれかを14週間与えました。飼育期間中は肥満の指標として経時的に体重を測定しました。また、マウスの腹部X線CT画像を撮影し、画像解析により体脂肪量を算出しました。14週の飼育期間後には脂肪肝の指標として肝臓中の中性脂肪量を測定しました。また、肥満に伴う血糖値異常を評価するために、血液を採取し空腹時血糖値を測定しました。

≪結果≫

高脂肪食を摂取したマウスは著しい体重の増加 (図1) と体脂肪量の増加 (図2) が見られましたが、BSエキスを含む高脂肪食を摂取したマウスでは、それらが抑制されました。また、高脂肪食による肝臓中の中性脂肪量の増加 (脂肪肝化、図3) および空腹時血糖値の上昇 (図4) もBSエキスの摂取により抑えられました。以上の結果から、スルフォラファンを摂取することで、脂の摂り過ぎによる肥満が抑制されることが示唆されました。また、肥満に伴う脂肪肝、血糖値異常も抑制されることが示唆されました。

【試験② 作用機序の検証】

(1) 肥満型腸内フローラの改善

腸内フローラとは、私たちの腸の中に定住している細菌の集団のことです。最新の研究で、太っているヒトの腸内フローラを移植されたマウスが肥満になることが明らかとなり、腸内フローラが“太りやすさ”に関係しているとも考えられています。そこで、スルフォラファンが肥満型の腸内フローラを改善するか否か検証しました。

≪方法・結果≫

各飼料を摂取させたマウスの盲腸から内容物 (便になる前の状態) を採取し、そこに含まれるフローラを解析しました。その結果、高脂肪食の摂取は、肥満との関連が示唆されているデスルフォビブリオ科の腸内細菌を増やすことが確認されました (図5)。一方で、BSエキスの摂取はその増加を抑制することが分かりました。以上の結果から、スルフォラファンが肥満型の腸内フローラを改善することが示唆されました。

(2) 白色脂肪組織の褐色化

脂肪組織には、エネルギーを溜めこむ白色脂肪組織と、消費する褐色脂肪組織があります。褐色脂肪組織がエネルギーを多く消費できるのは、脱共役タンパク質 (UCP1) と呼ばれる特殊なタンパク質を持つからなのですが、白色脂肪組織もUCP1を僅かに持っており、その量を増やす (褐色化させる) ことでエネルギー消費が増大し、肥満を抑制できることが示唆されています。そこで、スルフォラファンが白色脂肪組織の褐色化を促すか否か検証しました。

≪方法・結果≫

各飼料を摂取させたマウスの白色脂肪組織におけるUCP1のタンパク質発現量を比較した結果、高脂肪食の摂取によってUCP1の量が著しく低下するのに対し、BSエキスの摂取はそれを抑制しました (図6、左)。更に、実際のエネルギー消費もBSエキス摂取によって亢進していることが確認されました (図6、右)。以上の結果から、スルフォラファンが白色脂肪組織の褐色化を促し、エネルギー消費を亢進させることが示唆されました。

≪まとめ≫

今回の研究より、スルフォラファンの摂取が脂の摂り過ぎによる肥満や、それに伴う脂肪肝、血糖値異常を抑制することが示唆されました。更に、スルフォラファンの作用機序として (1) 肥満型腸内フローラの改善と、(2) 白色脂肪組織の褐色化によるエネルギー消費量の増大が関与することが示唆されました (図7)。

≪今後の展望≫

今後は、健康長寿社会の実現に向けて、ヒトでも同様の効果が見られるか検証を進めて参ります。

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