特にブロッコリースプラウトには、抗酸化作用や抗炎症作用を特徴とするファイトケミカルの一種であるスルフォラファン・グルコシノレートが多く含まれているとされています。
ところで、スプラウトとは何でしょうか?今回は、スプラウトについてご紹介します。
スプラウトとは、豆類や野菜の種子などを発芽させた食用新芽の総称です。もやしはその代表格です。たんぱく質やビタミンC、食物繊維などが豊富で栄養価も満点。さらに価格も安価なので、家計の強い味方です。
もやしは淡色野菜に分類されますが、かいわれ大根やブロッコリースプラウトは緑黄色野菜に分類されます。
スプラウトは、新芽の総称なので、成長に必要な栄養素をたっぷり含んでいます。水溶性ビタミンが豊富なため、新鮮なものを生のまま食べることで効率的に栄養を摂取できます。
もやし以外のスプラウト類にもビタミンCがたっぷりと含まれているので、風邪予防や免疫力アップが期待できます。また、消化酵素のアミラーゼが消化を促進するので食欲がないときにもおすすめの食材です。食物繊維が含まれているので、便秘の改善にも働きます。
スプラウトは乾燥に弱く、傷みやすい、早めに使い切るのがコツです。3日以上保存する場合は、根本まで水を注いでスポンジを湿らせ、パックにラップをして立てた状態で保存します。水を張った保存容器に入れて冷蔵するのでもよいですが、水につけるとシャキシャキ感は残りますが、水溶性のビタミンは溶け出してしまいます。
冷凍でも保存できますが、その場合は根を切り落とし、ポリ袋に入れて冷凍しましょう。冷凍しても栄養価は変わりませんが、食感は悪くなります。
ブロッコリースプラウトに多く含まれる、ファイトケミカルの一種、スルフォラファン・グルコシノレートは、体内でスルフォラファンという成分に変換され、抗酸化作用や抗炎症作用を発揮することが知られています参1)。
スルフォラファン・グルコシノレートからスルフォラファンを生成するのに必要な酵素「ミロシナーゼ」は熱に弱いため、生で食べることがポイントです。
サラダで食べる場合は、脂質との相性も良いため、ドレッシングをかけて食べるとβ-カロテンの吸収効率がアップするのでおすすめです。
ちなみに、ファイトケミカルとは、植物が紫外線や虫などから自分を守るために作り出す「色」や「香り」、「辛み」「苦み」などの成分を指し、体の中で抗菌、抗炎症、抗酸化作用、免疫力の向上などさまざまな働きをします。ファイトケミカルには、ポリフェノール、カロテノイド、イオウ化合物などのグループがあり、これらに共通する機能として抗酸化作用があります。
栄養たっぷりのスプラウト。スーパーでは通年で手に入るので、ぜひサラダなど、毎日の食生活に取り入れたいですね。
■出典・参考文献
『一生役立つ きちんとわかる栄養学』(西東社/監修:飯田薫子・寺本あい))
『食品長持ち保存術』(主婦の友社/著・沼津りえ )
参1)
"Therapeutic potential of sulforaphane in liver diseases: a review."
Front Pharmacol 14: 1256029. -2023
https://www.frontiersin.org/journals/pharmacology/articles/10.3389/fphar.2023.1256029/full