熱すぎるお湯はNG!皮膚科医に聞いた乾燥肌対策【スキンケア編】

冷たい外気に晒される冬や季節の変わり目や花粉が飛び始める春先など肌の乾燥にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

また、年を重ねるごとに肌の水分量や皮脂の量、コラーゲンなど肌を作る成分が減り、乾燥肌に。

そこで、皮膚科医の神島輪(かみしま・りん)医師に、乾燥肌対策について伺いました。インナーケア対策について伺った前回に引き続き、今回はスキンケア対策について聞きました。

38度くらいのぬるめのお湯に浸かる

――特に冷たい外気にさらされる冬や春先など季節の変わり目の乾燥している時期のスキンケアについて教えてください。

神島:まず、寒いとつい熱い湯船に入りがちだと思うのですが、ぬるいお湯に浸かるようにしましょう。温度の目安としては38度くらいで、熱くても40度くらいのお湯を上限にしましょう。

――ぬるめのお湯に入ったほうがよい理由はあるのでしょうか?

神島:熱い湯船に浸かると肌の油分が持っていかれてバリア機能が落ちてしまいます。人間の肌というのは、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層から成り立っています。表皮内はさらに4つの層でできているのですが、その一番外側にある角質層がバリア機能を担っていて、肌の水分量を維持したり、外敵刺激から肌を守ったりしています。

――時間の目安はありますか?

神島:15分くらいを目安にしましょう。長く湯船に浸かるのは、乾燥の原因になるので、乾燥肌の方にはおすすめしません。

スキンケアで気をつけることは?

――お風呂の温度も肌の乾燥に関係するというのは驚きでした。お風呂から上がったあと、先にスキンケアをするか髪を乾かすか迷うのですが……。

神島:特に乾燥肌が気になる方は先にスキンケアをして、なるべく早く保湿しましょう。化粧水をたっぷりつけて美容液、乳液、クリームで蓋をするという基本のケアでOKです。それでも乾燥するようなら、お湯が熱すぎるなど他に要因があると思います。とにかく保湿はマストです。乾燥した部分は肌のターンオーバー(肌の細胞が一定の周期で生まれ変わる肌の新陳代謝のこと。健康な肌の場合、周期は28日間と言われる)が遅くなる傾向があります。

――クレンジングや洗顔で気をつけたほうがいいことはありますか?

神島:Tゾーンなど皮脂が気になる箇所からクレンジングするのと、クレンジングついでのマッサージやゴシゴシ洗うと肌への刺激になってしまうのでやさしく洗うようにしましょう。

――他に注意することはありますか?

神島:顔を拭く時もタオルでポンポンと抑える程度でゴシゴシ擦らない、顔や体を洗うときも優しく洗うというのが大事になってきます。髪もしっかり乾かすようにしましょう。

更年期で乾燥肌に…中高年世代のスキンケアは?

――中年世代の女性は更年期にも差し掛かってくると思うのですが、肌の乾燥と関係がありますか?

神島:女性が更年期に差し掛かると、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減ります。それによって肌のハリや弾力を保つコラーゲンなどが減って皮膚の水分保持機能も低下して、乾燥やかゆみを引き起こします。

――その場合の対策としては、前回伺ったインナーケアや今回のスキンケア対策で良いのでしょうか?

神島:基本的なインナーケアとスキンケアは同じです。より丁寧に保湿するように気をつけていただきたいです。痒みが出る場合は、皮膚科にご相談ください。

――ちなみに男性もスキンケアをしたほうが良いのでしょうか?

神島:最近は若い世代の男性はスキンケアをやっている方も多いと思いますが、中高年世代の男性は特に何もしないという方もいらっしゃるかもしれません。スキンケアはすぐに効果が出るものなので、乾燥対策のためにもぜひ中高年世代の男性もやってみてください。

■ 参考サイト

花王「スキンケアナビ」
日本更年期医学会ニューズレター
慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト

<プロフィール>

神島輪(かみしま・りん)
東京女子医科大学卒業後、同大学の皮膚科に入局。現在は一般診療だけでなく美容診療にも携わり、水道橋ひふ科クリニックの院長として勤務。

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