「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、もしも働きすぎでダメージを受けていても、ほとんど自覚症状がありません。
気付かないうちにダメージを蓄積しているかもしれない肝臓の状態を知るために、健康診断でよく耳にする
「γ-GTP」や「ALT」などの数値をチェックすることが大切です。
解毒作用を行う代謝酵素。肝細胞が壊れると血液中に流れ出るため肝臓のダメージ度の指標となる。お酒の飲み過ぎや肥満によっても数値が上がる。
アミノ酸の代謝に関わる酵素で、主に肝臓に存在する。「γ-GTP」同様に肝細胞が壊れると血液中に流れ出るため肝臓のダメージ度の指標となる。
※日本人間ドック学会
スルフォラファンは、毎日「解毒」や「代謝」に忙しい肝臓をサポートし、肝臓において(1)化学物質の解毒を担う解毒酵素や(2)酸化ストレスを軽減する抗酸化酵素の産生量を高め、さらに(3)肝臓の炎症を抑えることがわかっています。
このため、「スルフォラファン」の継続摂取は、肝臓が自ら持つ防御機能を高めて肝機能を改善すると考えられています。
カゴメは以前より「スルフォラファン」の力に注目し、研究を続けてきましたが、このたび世界で初めて※2、ヒトを対象に
「スルフォラファン」の継続摂取試験を行い、肝機能が改善する可能性を確認しました。
肝機能異常の男性52人を、「スルフォラファン」を毎日摂る人と摂らない人のグループに分け、2ヶ月後に検査したところ、
摂取したグループの「γ-GTP」や「ALT」の平均値が改善しました。
※1 スルフォラファンは、食品中ではスルフォラファングルコシノレートとして存在しており、体内で分解されることでスルフォラファンに変わります。
※2 カゴメ調べ
スルフォラファンが注目を集めるきっかけになったのは、ジョンズ・ホプキンス医科大学で、予防医学の研究で有名なポール・タラレー博士による“効能”の発見でした。
ブロッコリーに多く含まれるスルフォラファンが、体内の解毒酵素を活性化して、肝臓の解毒力を高める働きがあることを証明し、様々な予防効果が得られることが明らかになりました。
スルフォラファンの働きを発見したタラレー博士は、さらに研究を重ね、ブロッコリーの品種や成長段階によるスルフォラファンの含有量の違いを調査していきます。その結果、私たちが普段食べている成熟したブロッコリーよりも、新芽状態のブロッコリースプラウトの方が、はるかに多くのスルフォラファンを含んでいることが判明したのです。
それ以来、カゴメはスルフォラファンの効能に着目し、
日夜スルフォラファン研究に取り組んでいます。
カゴメの研究結果として、ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンには、
肝障害(急性・慢性)を抑制する効力をもつことが、ラットを使用した実験で明らかに
なりました※2。
スルフォラファンが活性化させる解毒酵素が、肝臓の解毒作用を非常に高め、肝障害のマーカー
となるAST(GOT)、ALT(GPT)数値を低下させたのです。このことから、
ブロッコリースプラウトが肝機能を高めてくれる野菜であることが改めて実証されました。
また、東京理科大学薬学部薬学科との共同研究により、ブロッコリースプラウトから熱水で抽出したエキスに花粉症を抑制する効果があることも判明しました。ブロッコリースプラウトエキスの摂取により、スギ花粉抽出物の投与によって誘導される好酸球数の増加やIgE値の上昇を抑制することで炎症反応が抑えられることが判明したのです。ブロッコリースプラウトには花粉症を抑制する効果も期待できそうです。
さらに、2013年、アメリカの医療分野ではハーバード大学と並び称されるジョンズ・ホプキンス医科大学との共同研究により、
スルフォラファンが肝臓のアルデヒド脱水素酵素(ALDH)を活性化することで、悪酔いの原因物質・アセトアルデヒドの
分解を促進させることを解明しました。
※1 スルフォラファンは、食品中ではスルフォラファングルコシノレートとして存在しており、体内で分解されることでスルフォラファンに変わります。
※2 カゴメ株式会社ニュースリリース 2008年9月3日(急性)、2009年3月25日(慢性)